なぜ "別荘" のサービスにコミュニティが必要なのか?〜SANUコミュニティの魅力に迫る〜
ナレッジ
2023.06.08
- #コミュニティ
- #コミュニティマネジメント
NEWPEACEコミュニティマネージャーのayusaです!
今回はコミュマネの私が面白い!と思った “SANU” のコミュニティについて紹介したいと思います。
別荘と聞いてイメージするもの、お金持ちの人が持つ、年に数回しか行かないセカンドハウス、というイメージですが、それを完全に塗り替えるのが、SANU 2nd HOME。サブスクリプション形式で、予約をすれば都心から2時間の距離にある別荘を利用できる、環境への負荷も低いかっこいい建築が特徴的なサービスです。
サービスが始まってから、2年ですが、なんと現在7000人以上がウェイトリストに載っているらしい…。私も漏れなく、SANUに注目しているひとり。今日は、そんなSANU 2ndHOMEがただの別荘サブスクサービスに留まらない理由を、「コミュニティ」という視点で紐解いていきたいと思います。
SANUとは?
SANUは、月額55,000円を払えば、日本各地にある環境配慮型木造キャビンに宿泊することができるサービスです。「都会に居ながら、自然のある生活を」を合言葉に、日本各地にある別荘を利用することができます。
出典:PR Times
2021年のサービス開始後から、順調に拠点を増やし続け、現時点では9拠点・53箇所のキャビンに宿泊が可能です。どのキャビンもあえて同じデザインにすることで、拠点となる場所の特色に目が向きやすくしているとか。また、キャビンの建設で排出する分以上のCO2を吸収する「カーボンネガティブ建築」であるなど、自然や生態系にも配慮しています。
そんなSANUの採用ぺージをみてみると、募集職種のひとつに「コミュニティマネージャー」の文字が!
>>単発の購入体験ではない「サブスクリプション」というビジネス上、常にユーザーの声に耳を傾け、その「ニーズ(Needs)」や「ウォンツ(Wants)」を満たしながら、顧客との長期的な繋がりを保つことが重要です。
そこで、コミュニティマーケティングのノウハウを生かしながら、SANU 2nd Homeの既存ユーザー(サブスク会員)やウェイティング中の方々とのインタラクティブな関係づくりをリードし、コミュニティに関わるあらゆるアクションの戦略立案・企画・実行に取り組んでくださるコミュニティマネージャーを求めています。
なぜ、別荘のサービスなのに、「コミュニティ」や「コミュニティマネージャー」が必要なのでしょうか?
SANUが作ろうとしているコミュニティとは一体・・・?
SANUが目指すのは、「帰る場所」づくり
SANUが一貫して掲げているのは、「Living with Nature」というビジョン。「都会での暮らしと自然との調和を両取りする新たなライフスタイル」をとる人たちを増やしたいという思いが込められているとか。
創造者である福島さんは、インタビューでこのように語っています。
>>秘境や、絶景が見える場所に“行く”のではなく、ただホッと一息つくために“帰る”場所でありたい。すべてのキャビンが同じデザインなので、どの地域に行っても馴染みのある空間で安心できるかなと。
つまり、SANUが目指しているのは、安心感と身近さの漂う「帰る場所」を自然の近くにつくるということ。言い換えると、別荘につきまとう「年に数回しか訪れることのできない特別感」を塗り替え、SANUを日常的に訪れる人を増やそうとしています。
生活の中に自然を取り入れた人たちを増やすために、安心できる場所づくり(=コミュニティ)が必要と捉えているのがおもしろいですよね。
出典:PR Times
“ただの別荘” 以上の価値をつくる、コミュニティ
これまでの別荘体験や、他の宿泊サブスクリプションと一線を画すSANUのユニークさについて、大きく3点挙げてみたいと思います。
① 若い世代の別荘ユーザーを開拓している
SANU独自の利用動向によると、一般的な別荘所有者は、バブル全盛期に働き世代であった60代以上が大半を占めていますが、SANUの利用者は30〜40代が約8割を占めているとのこと。このような新しい若い世代がユーザーとなっている背景のひとつには、インスタグラムをはじめとするSNSを中心としたコミュニケーションがあると思います。
SANUの場合は、インスタグラムのフィードを通して、「別荘」そのものの商品を見せるのではなく、それを利用した際にどのようなライフスタイルが実現できるかを訴求するものになっています。
地元の食材を使いながらのバーベキューで、家族と久しぶりにじっくり話したり。夏はサーフィン、冬はスキーなど、シーズナルなスポーツをしながら、子供と一緒に自然を満喫したり。はたまた、自分しかいない空間で、都会の生活から離れて読書に耽るも良し。鳥の声を聞きながら、思考していたら、いつもとは違う閃きが得られそうです。
こういった「休日に自然溢れる場所に通う豊かさ」や「平日に自分ひとりでゆったりとした時間を持てる贅沢」といった価値観を想像できるからこそ、人々は共感し、SANU への魅力をより強めていくのです。
また、SANUの場合は、建築やキャビンでの体験も思わずシェアしたくなってしまう要素が盛り込まれており、これを皆が口コミとして投稿されていくことで、「あの人が行ってた気になる場所」としての期待感を醸成していると言えそうです。
出典:Instagram
② 価値観に共感し、つながるユーザーのコミュニティ
このようなブランドの思想を表すSNS発信や、実際に体験した人の口コミを見て、集まってきた若い利用者たちは、「自然のある生活」や「手軽さもある豊かな時間」への共感度も高く、会員同士の共通点を見つけるのも容易そうです。
また、実際のSANU利用者の声からも、SANUに集まる人が共有する価値観によって、安心感が醸し出されていることがわかります。
SANU 2nd Homeで迎える朝。管理棟の近くまでゴミを出しに行くと、すれ違う方々から自然と声を掛けられる。「おはようございます、清々しいですね」。それは大きなホテルでは生まれようのないコミュニケーション。かと言って都心のマンションほど形式的でもなく、ここには会員制のコミュニティに特有な程よい心地よさがある。おそらく、同じような価値観を持つ方々によって醸し出される安心感によるものだろう。
このような仕掛けによって、SANUが別荘ではなく、「帰る場所」に近づいていくのだと思います。「2nd HOME」という名前の通り、非日常ではなく、あくまで「第二の家」でありたいというのが、とてもコミュニティっぽさのある温かな考え方ですね。
③ ユーザー限定の “楽しく祝う機会” を提供している
コミュニティにおいて、「楽しい」という感覚はとても大切。SANUを利用する上で、気候変動の抑止のためなどのロジカルな正しさは前提にあるとして、「楽しい」「満たされる」のような根源的な感情がないと、活動を継続することはできないですよね。
全国に点々と拠点を持つサービスにおいて、会員同士がオフラインで顔を合わせる場は貴重です。実際にSANUでは、いくつもの会員限定のコミュニティイベントを実施しています。
例えば、2022年8月に実施された初のメンバー限定イベント。SANUと関わりのある人が手がける料理やワインを実際に手に取りながら、会員同士だけでなく、キャビンのある八ヶ岳など地元の人たちが交流できる場をつくっています。
出典:Instagram
このようなSANUのエッセンスが詰まった、会員同士で実際に話し、繋がれる場所があることで、コミュニティの実体がつくられていくのだと思います。SANUの利用スタイルは一人ひとり異なるかもしれませんが、普段の生活でなかなか繋がることのできない同様の価値観を持った人達と、過去のSANUでの体験を語るだけでも、たのしいと感じ、SANUのコミュニティへのエンゲージをより高めていくことにつながると思います。
おわりに
今回は、いま注目の別荘サブスクサービスSANUをコミュニティの視点から取り上げてみました。
「自然豊かな生活に憧れつつも、都会の生活も捨てたくない!」と思っている私にとっても気になるサービスだったSANU。きっと会員の中には、自分に似たような価値観を持っている人達が大勢いて、キャビンのまわりで出会った人たちとは、自然と仲良くなれてしまうんだろうな、と想像が膨らみました。
商品それ自体ではなく、「休日に自然溢れる場所に通う豊かさ」や「平日に自分ひとりでゆったりとした時間を持てる贅沢」といったブランドが伝えたい価値観を一貫して伝えることで、その価値観に共感する人が集まり、SANUへの期待が高まっていく。そして、実際に会員同士が集まり、共にSANUらしさを体験する場があることで、熱量の高いファンを育てていくSANUのコミュニティづくり。コミュニティに携わる者として、参考になる部分が多かったです。
そんな私が所属するNEWPEACEのCommunity Management Unitでも、コミュニティを作りたい!や、コミュニティづくりで困っている、といったコミュニティの立ち上げ、運営にまつわる様々なお悩みをお持ちの方のお話をうかがっています!
まずは、お気軽にご相談ください!
NEWPEACEは、一緒に働くメンバーを募集しています!
募集中の職種は、こちらからご確認いただけます。
案件のご依頼や相談については、こちらのフォームよりご連絡ください。