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ANRI | 創業者の情熱を取り戻すVision・Way・CI刷新プロジェクト

新たな言葉とビジュアルが導く、揺るぎない原点と未来への拡張性を両立させるリブランディング

クライアント
ANRI株式会社
サービス
スタートアップ
ソリューション
CI/VI開発

CHALLENGE

日本のスタートアップ投資を牽引する独立系ベンチャーキャピタル(VC)、ANRI。
創業者・佐俣アンリ氏の情熱を組織の不変の熱源としながら、さらなる発展に不可欠な社会的責任や公共性、拡張性をどう両立させるか。

 

OUTCOME

佐俣氏が設立以来掲げてきたビジョン「未来を創ろう、圧倒的な未来を」から、創業者個人の暗黙裡の価値観を「未来から見て正しい」という基準として提示。「圧倒的未来」というシンボリックな造語へと昇華し、物語性と世界観を宿すデザインに展開し、VIやWEB、コーポレートアイテムを刷新。事業構造も再編され、創業者の情熱と組織の自発性が響き合い、唯一無二の個性と拡張性を両立するブランドが生まれた。

 


成長の裏側で問われる創業者と企業の関係性。未来を左右する命題

 

「未来を創ろう、圧倒的な未来を」というビジョンを掲げ、佐俣アンリ氏が立ち上げたVC・ANRI。2012年に設立し、 ラクスル、Luup、クラウドワークスなど、今や各業界を牽引するスタートアップ企業を支援してきた。ANRI自身も設立10年を超え、累計約800億円を運用する、日本を代表する独立系VCへと成長している。

 

しかし成長とともに組織規模や社会的責任が大きくなるにつれ、佐俣氏個人が情熱を注げるものとの間に微妙なずれが生じ始めていた。佐俣氏を中心に発展してきたANRIだが、多様性や公共性を重視すれば、大手金融機関のようなあり方へと近づいていく。一般的な「あるべき姿」と、自分が描く「ありたい姿」。そのあいだに生まれる矛盾に、創業者としてどう対峙するのか。

 

同時に、佐俣氏は、VC業界における競争の激化が進み、ANRIが起業家から選ばれるためにどのような存在であるべきかを打ち出していかなけれなならないという、強い危機感を抱いていた。

 

これからのANRIのあるべき姿に一つの解を出すためのパートナーとして、NEWPEACEを指名。創業者の抱く違和感や危機感を紐解くところから、プロジェクトは始まった。

 

今のANRIと接続する新たな”佐俣アンリらしさ” の提示

独自性を薄めて公共性を優先するのか、それとも統合を模索するのかーー。創業者と企業の関係を改めて問い直すことは、ANRIの未来を左右する大きな転換点だった。

ANRIの成長は、この10数年のスタートアップ/VC市場の拡大と重なっている。今でこそ「スタートアップ」やVCは社会に認知されているが、創業当初はその可能性は未知数だった。特に創業初期の投資は、リスクが高く支援に労力を要するため、敬遠されがちだった。しかし、“未来になってみないとわからないものを信じる”という佐俣氏のスタンスこそが、ANRIの原点であり価値の源だった。

また、ANRIには佐俣氏の思想に共鳴して集まった社員や起業家が多くいる。これからのANRIのために、今にふさわしいかたちで“佐俣アンリ”らしさを言語化する試みが始まった。

 

 

 

創業以来掲げてきたビジョン「未来を創ろう、圧倒的な未来を」は、1号ファンド設立時に写真へ書き込んだ一文から取られたものだった。このビジョンを問い直す過程でヒントになったのは、佐俣氏の直感的な基準である「ダサい/ダサくない」。その価値観を丁寧に紐解いたとき、”未来から見て”誇れるかどうかこそが氏の暗黙の判断軸であることにたどり着いた。

 

「今」ではなく「未来から見たとき」という、創業者と企業のスタンスの揺るぎない接続点が提示されたことで、新たなANRIのブランドの核が生まれた。それは同時に、佐俣氏が組織に感じていたしがらみから解き放たれ、改めて情熱を注ぐことのできる存在として新しい関係を結び直すプロセスでもあった。

 

「圧倒的未来」ーーブランドをシンボライズする言葉とビジュアル

 

「今」ではなく「未来から見たとき」という、明示はされずとも暗黙裡に共有・共感され、ANRIを形作ってきた佐俣氏の価値観。この基準を新たに組織にインストールし、社員の行動やコミュニティを揺るぎないものにしていくため、Vision・Way刷新プロジェクトが本格的に始動。

 

 

新たなVisionは「圧倒的未来」。従来の「未来を創ろう、圧倒的な未来を」を短く記号化。シンボリックな言葉を掲げつつ、タグラインでは「圧倒的未来」を作るために、ANRIとしてどのような姿勢で行動するのかを明示。「未来から見て、ダサいことはしない。/正義とリターン、どちらも追求する。/世界を一変させるインパクトを、起業家と共に。キャピタルを武器に。/10年後の自分たちが誇れる圧倒的未来のために。」。創業時、衝動的に誕生した言葉に、ANRIの歴史を踏まえ「未来から見てどのような誇れる選択をしていくか」というストーリーとロジックで再構築。組織で共有できる基準であり、社会に対するスタンスとして、強度のある言葉へと昇華させた。

 

「圧倒的未来」というビジョンにより、目指す世界が明確になったことで、ANRIのあり方そのものを新たに定義。

「Changer Capital」として、資本により起業家を中心としたChager(変革者)を支援することを通じ、圧倒的未来を作っていくという事業コンセプトにアップデート。支援対象は既存のスタートアップ起業家だけでなく、芸術家や非営利組織なども含む「Chager(変革者)」であるという、明快ながら余白のある定義に。佐俣アンリ氏の思想を色濃く反映させることで、既存のVCの枠組みに縛られない支援を、ANRIとして提供していくことが可能になった。

 

 

 

新たなWayは、「圧倒的未来」のために、ANRIを「もっと素でぶつかれる場所」にすることを重視して策定。その背景には、仲間が増えるにつれ、多様性を尊重しようとして、社員同士に遠慮が生まれつつある組織の状況があった。

新Wayは短い動詞を3つ並べた、シンプルで“ちょっとダサめ”の言葉。日々、起業家に真剣に向き合うために、何度も口に出すことで社員が自分のものにできる日常的な言葉となっている。

 

 

 

Vision/Way刷新を経て確立された新たなANRIの価値観を社会に表明するため、CIも刷新。デザイナーはCIデザインの領域で数々の実績を持つタカヤ・オオタ氏を起用。ANRIの旧ロゴ/VIも同氏が手がけており、旧ANRIを“壊せる”存在として、佐俣氏の全幅の信頼のもと、再び制作を託すこととなった。

 

 

新たなCIのモチーフは、「現在」とANRIが目指す「圧倒的未来」という二つの空間が交わり、そのるつぼから生まれたオブジェクトをイメージして作られた。

数あるVCの中で「ANRIと挑戦したい」と感じてもらえるよう、アパレルなどの実体化にも耐えうる手触り感があり、個性的かつ耐久性のあるデザインとなっている。

 

 

 

 

ブランドガイドラインより一部抜粋

 

 

 

モーショングラフィック

 

リブランディングの集大成としてリニューアルされたコーポレートサイトは、「2030年の雑誌」をコンセプトに構築。開発を担ったのは、3DCG技術に強みを持つFunTech社。物語性と世界観をどう可視化するかをタカヤ氏と共に探りながら、立体的で没入感のある体験を実現した。一般的なVCサイトのように実績や数字を整然と並べるのではなく、誌面をめくるようにANRIの物語を体験できる、前衛的なサイトに仕上がっている。

 

 

創業者と組織がより強固に結びつき、原点と拡張性を両立させるあり方へ

創業者・佐俣アンリ氏の価値観を、ANRIという企業のスタンスに昇華。ANRIのアイデンティティと未来、双方を表現する言葉とかたちを得たことで、創業者が再び情熱を取り戻し、組織の自発性が響き合う、唯一無二の個性と拡張性を両立するブランドが生まれた。

 

ANRI主催 投資先大集合会2025

 

「圧倒的未来」というシンボリックなビジョンと行動指針が定まり、自らをChanger Capitalと定義したことで、VCでありながらその他の領域にも拡張できるビジネスモデルへとアップデートしたANRI。リブランディンプロジェクトを通して、ANRIそのものが「圧倒的未来」に向かって変化できる存在へと進化した。

 

創業者と企業のスタンスを再接続し、事業のあり方にひとつの解を出したリブランディングプロジェクト。NEWPEACEでは企業の本質的な課題を提起し、意思決定までサポート。クリエイティブによる企業の非連続的な成長を支援している。

 

チーム

Team

NEWPEACE

  • 高木 新平

    Creative Director

    CI戦略立案、企画、制作にかかるクリエイティブディレクションを担当

  • 波田野 奈津江

    Project Manager

    プロジェクトマネジメント

  • 桐野 遼

    English Translator

    Webサイト翻訳

Partner

  • タカヤ・オオタ

    Art Director / Designer(株式会社ケルン)
  • 小柴 凜

    Designer(株式会社ケルン)
  • 太田 義孝

    Art Director / Web Planner(FunTech株式会社)
  • 仮屋 佑哉

    Web Designer(FunTech株式会社)
  • 橋本 卓磨

    Frontend Developer - Web(FunTech株式会社)
  • Terence Philippe de vries

    3D Motion Designer- Web(FunTech株式会社)
  • 竹之内 祐幸

    Photographer- Web
  • natsuo

    Hair & Makeup Artist- Web
  • 古田 清悟

    Executive Director / Producer -Movie(株式会社ハイブリッドファクトリー)
  • 仲川 啓介

    Producer -Movie(株式会社ハイブリッドファクトリー)
  • 大海 宏介

    Director -Movie(株式会社ハイブリッドファクトリー)
  • 川嶋 紀貴

    Production Coordinator -Movie(株式会社ハイブリッドファクトリー)
  • 日高 朋弘

    Technical Director -Movie(株式会社メタシックス)
  • 中島 大樹

    Camera Operator -Movie(株式会社メタシックス)
  • 簗田 智哉

    Camera Operator -Movie(株式会社メタシックス)
  • 安沢 貴幸

    Audio Engineer -Movie(株式会社メタシックス)

ANRI株式会社