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茨城県|歴史館のイメージを刷新する新たなコンセプトと企画展

地方の歴史館に”未来”を。新たな可能性を具現化する企画展を開催。

クライアント
茨城県
サービス
官公庁・地方自治体
ソリューション
ブランド戦略立案

CHALLENGE

歴史好きに閉じてしまいがちな地方の歴史館のイメージを刷新し、幅広い層に開かれた文化観光施設へと進化させられるか。

OUTCOME

歴史を学ぶだけではなく、未来を考える場所として、歴史館のポジションを提案。新たなコンセプトで、企画展を開催し、異例の15,000人を集客した。


茨城県立歴史館は、開館50周年を迎える歴史ある施設であり、長年にわたり茨城の歴史を学ぶ場として親しまれてきた。しかしながら、学術的なイメージが強く、学びの場としては敷居が高くなっていたのかもしれない。そのため、幅広い層が来館する理由をつくるために、過去を学ぶだけではなく、未来も考える場所「いばらき未来歴史展」というコンセプトを策定し、人文×未来のポジショニングを提案した。
さらに、新コンセプトのPoC(Proof of Concept)として実施した企画展「なぜ恋してしまうのか?展」の企画・プロデュースを行なった。


歴史館の枠を超えていく、新たなコンセプト

茨城県・水戸市にある茨城県立歴史館は、茨城の歴史を学べる場所として、続いてきた場所。歴史資料の調査研究が中心である博物館という機能から、学術的なイメージが強く、学ぶ目的が限定されているように感じた。そのため、歴史好きだけではなく、幅広い層に開かれた場所にするためには、館のコンセプトを新たに定義する必要があると考えた。

 

 

着目したのは、かつて水戸光圀が水戸の地で編纂した歴史書「大日本史」。光圀は、「彰往考来」(過去をあきらかにして未来を考えること)の精神で、日本全国から史料を集め、現在までの道のりを明らかにし、来たるべき未来を考えようと歴史の編纂を行った。

 

「大日本史」(茨城県立歴史館蔵)

 

現代の「彰往考来」を体現する場所として、館のコンセプトに掲げたのが「いばらき未来歴史展」。過去を学ぶだけではなく、未来までも考える、未来×人文の歴史博物館を構想した。

 

これまでの歴史館は過去×人文のポジション。未来×人文のポジションを取る館と提案した。

 

 

コンセプトを実証する企画展の開催

新たなコンセプトを掲げた一方で、これがどこまで世の中に響くのか、どんな展示を作ることができるのかを試す必要があった。コンセプトの実証を行うために、NEWPEACEでは企画展を実施することに。新たな来館者層を開拓していくには、現代にも通ずる身近で重大なテーマを設定する必要があると考え、最初のテーマに「恋愛」を選んだ。
長い歴史の中で形を変えながらも続いてきた、私たちとは切っても切り離せないテーマである「恋愛」を、過去と未来から見つめ直していく企画展、題して「なぜ恋してしまうのか?展」の企画が始まった。

 

 

「なぜ恋展」の開催に向けて、企画展の制作・ディレクションをNEWPEACEで担当。
雑誌『歴史人』の協力の元、歴史のリサーチからコンテンツ企画、展示構成、空間デザインまで行った。
古代から現代までの恋愛を50のエピソードで振り返る「過去の章」、6通りの恋愛の未来を想像するエッセイを展示した「未来の章」、現代の恋愛観を収集する「恋のアーカイブ」で構成し、恋愛のあり方を過去と未来から見つめ直す展示を企画した。
エピソードや文学作品などの読み物中心の展示コンテンツを、立体的な造作物で展示するなど、SNS映えを意識した空間作りを行った。

 

 

 

 

 

 

予想を超える反響と集客数。若い人が歴史館に溢れ返った。

2024年12月より「なぜ恋展」の会期はスタートした。新たな層を歴史館に呼び込むことが何よりの目的ではあったが、真冬の時期であったことと、会期が1ヶ月半弱と、話題化と集客には難しい条件があった。1万人の来館者を目標にし、会期中も県や歴史館の協力を得てPRを続け、生配信番組の実施などに取り組んでいった。
「恋愛」というテーマが、歴史に関心のなかった層にも刺さり、TikTokを中心にSNSで自発的にクチコミが徐々に広がっていった。県内の学生などの若い層を中心に、来館者数は鰻上りに増加し、結果としては異例の来館者数15,000人を超えることとなった。初来館者は58%を超え、10~20代も半数以上となり、歴史館のこれまでにない景色を作ることができた。

 

チーム

Team

NEWPEACE

  • Riku

    企画展のプランニングおよび制作のクリエイティブディレクションを担当。

  • 中尾 志穂子

    企画展のコンテンツディレクションおよびプロジェクトマネジメントを担当。

  • 高木 新平

    館のコンセプト立案を担当。

Partner

  • 田中せり

    アートディレクター/デザイナー
  • 佐久間亮介

    プランナー
  • 成田龍矢

    プロジェクトマネージャー(LON Inc.)
  • 五十嵐俊樹

    プロジェクトマネージャーアシスタント(LON Inc.)
  • 山田莉星

    歴史コンテンツ 編集者(歴史人)
  • 筒井達也

    歴史コンテンツ プロデューサー(歴史人)
  • 水谷千秋

    執筆(古代)
  • 福家俊幸

    執筆(平安)
  • 西原志保

    執筆(平安)
  • 遠藤明子

    執筆(鎌倉)
  • 小和田泰経

    執筆(戦国)
  • 安藤優一郎

    執筆(江戸)
  • 堀江宏樹

    執筆(明治〜終戦)
  • 山田昌弘

    執筆(現代)
  • 谷本奈穂

    執筆(現代)
  • 坂本亘

    展示物・広報物デザイナー(J.C.SPARK)
  • 高橋由衣

    展示物・広報物デザイナー(J.C.SPARK)
  • 三國玲衣奈

    展示物デザイナー(原宿サン・アド)
  • 山岸政樹

    空間デザイナー(Propeller & Co.)
  • 市川聡

    空間プロデューサー(Propeller & Co.)
  • Kaho Mukae

    イラストレーター
  • 井上宗太

    エンジニア
  • コムアイ

    エッセイ執筆
  • 岨手 由貴子

    エッセイ執筆
  • 佐久間 裕美子

    エッセイ執筆
  • おおはた雄一

    エッセイ執筆
  • 松村圭一郎

    エッセイ執筆
  • カツセマサヒコ

    エッセイ執筆
  • 関口佳代

    会場撮影

茨城県 / 茨城県立歴史館