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ブランディングの会社でエンジニアチームはどう働いて何をしてるのか

ブランディングの会社であるNEWPEACEは、実はエンジニアチームがあり、業務委託が多い中でも、開発効率とプロダクト品質の大幅な改善につながる、自由な働き方を実践しています。

この記事では、リードエンジニアがどのように考え、意図しながらこのような開発体制を構築しているのかを含めて、実情をご紹介しています。


NEWPEACE Inc. の ソフトウェア/データ エンジニアの hrsk と申します。

 

近年ブランディングないしマーケティングを考える上でブランドと顧客との繋がりだけでなく、ブランドを中心とした顧客同士の繋がりも重視するケースが散見されていると思います。

NEWPEACE でも数年前から、ブランドを中心としたコミュニテイに注目しており、その形成や維持なども支援おり、その手段として「comcom Analytics 」というプロダクトを自社開発しています。

 

自分はNEWPEACE ただ一人のエンジニアとして2022 /10 に 入社しました。NEWPEACE のミッションは「価値観を仕事にする」であり、あらゆる人の個性、 多様性を大事にしている、 大事にしたいと考えている会社だと思っており、ソフトウェア開発をするうえでもそのミッションは変わりません。

本記事では、そんな価値観を仕事にする NEWPEACE のソフトウェア開発体制について、お話できればと思います。

 

comcom Analytics とは

comcom Analyticsは Discord サーバ、 Slack ワークスペースにインストールすることでオンラインコミュニティ内のユーザの動きを Web アプリ上で可視化するソフトウェア、サービスです。

comcom Analytics は基本は無料で利用可能なサービスであり、下図1、 2のように 統計情報を可視化することで、運営されている方の指針を可能としています。

 

図1:メンバーの増減、サーバー内でのアクション(メッセージ投稿、リアクション付与、VC参加)を起こしたユニークユーザ数の推移などを確認できる

 

図2:メンバー個別でユーザの動きを追うことも可能。特定ユーザがどういったメンバーと直接やり取りしているかなどを確認できる

 

例えば

  • イベントを行った後の発言量などが増えているかのチェック
  • 活発に活動されている方の特定
  • 不活性になってしまっているチャンネルの特定
  • 優れた流入経路の特定

など 運営者にとって有益な情報を表示することを目的としています。

 

またcomcom Analytics は大小さまざまな コミュニティでご利用いただいているため、同規模のコミュニティに限定した比較などの細かな解析も原理上可能であり、集められたデータに対し Webアプリでは表示しきれていない、より細かな解析を行い、 得た知見を活用したコミュニティ支援・還元も行っています。

 

実績として、ご相談頂いた企業様(SEGA様など)のコミュニティに対し運営指針を決めるうえで重要な点を洗い出し、解析データやグラフと共に改善案のご提案を行っています。

大きな野望としては、これらのデータを活用し、コミュニティの発生・成長・維持・衰退のメカニズムを理解したいと考えています。

 

開発体制

そんなcomcom Analytics ですが、Discord / Slack 各プラットフォームの bot と データを表示する Webアプリで構成されており、単純なWebアプリと比較すると大きな規模となっています。自分一人だけの能力・リソースで開発・運用するのは困難なため、業務委託の方々のお力を借りてチームで取り組んでいます。

 

現在の体制は

  • 正社員 1人
  • 定常的( 8 ~ 10 h / week )な業務委託メンバー4人

となっておりますが、実は自分も NEWPEACE 入社前は業務委託として携わっていたので、遡れば正社員のエンジニアが 0人という状態からチームが作られており、振り返ると開発体制/環境は良いとは決して言えなかったと思います。

 

開発開始当初、各人のスキルセットがバラバラでしたが、全員 Node.js は読めたため、Node.js (TypeScript)に統一して開発を行っています。

2年前の課題として、

  • メンバーが変動したときのコストが重すぎる。
  • エンジニアとして NEWPEACE で積極的に働く理由があまりない。

特にこのような開発体制では、メンバーの変動が大きなコストになるのですが、開発開始当初からほとんどメンバーが変わることなく開発してこれたという事実は、正直何をやってるかもよくわからない NEWPEACE というベンチャーにおいては 特筆すべき点であり、これは「開発メンバーが如何に働きやすくするか」を追求した結果だと考えています。

 

働き方の実際

comcom Analytics の開発チームとして、理想形はおそらくスクラム開発が正しく実践されたチームの持つ Commitment(確約)、Courage(勇気)、Focus(集中)、Openness(公開)、Respect(尊敬) の5要素が保証されているものだと考えています。 しかしながら、スクラム開発は多くのメンバーのフルコミットが前提のシステムであり、業務委託メンバーが大半の開発チームでは実践、機能させる事は現実的ではないと考えたため、弊チームでは、先の5要素が最大限保証されることを念頭にいれつつ、特に Courage, Openness, Respect についてはどんなチームでも保証可能であると考え、極力自由な働き方を実践しています。

 

働き方の一端がわかるような方針/実践項目を列挙すると

  • 働く時間帯は問わない。
    • 海外で働いているメンバーもいるため、自分も含めて本当に自由です。
  • 正社員に対するメンションの時間も問わない。
    • お互いいつ働いているかのかわからないので、逆に気兼ねなくメンションし合っています。
  • メンバーの自己申告で週ごとに働く時間を決める。
  • 全員が集まるミーティングは基本的に存在しない。
    • 週1回は 30 min程度 正社員のエンジニア(現状自分だけ)とミーティングを行い、タスクのすり合わせを行うが最低条件になっています。
  • タスクは本人の意向と技能を鑑みて合意を取りながら振る。
    • メンバーの工数を作業時間でざっくり決め、実際に働いた工数を申告してもらい差分を見て、スケジューリングの見積もり精度向上図っています。
    • タスクの粒度は様々ですが、仕様まで踏み込んで考えたい場合はかなりの部分任せています。
  • 開発効率が低い、意欲がわかない。はこちらに非があるので改善案を考える。
    • サボる、サボりたい、という気持ちを否定せず(自分もそうだし)、受け入れつつ改善案を考えていいます。その結果、次回からのタスク振りの指針を作り直したり、プロダクトの仕様を変更を行い、働く意欲が低下することを避けています。
  • 業務中はなるべくDiscordのボイスチャットルームに入り、質問・会話がし易い環境作りを心がけている。

チームとして意識していることは他にもまだたくさんあるのですが、要するに業務委託メンバーが良い意味でわがままに、ありのままに振る舞えることが結果的に開発効率が上がると確信して、方針を決めています。

 

こういった方針の結果、弊チームのような弱小開発チームでも、Commitment(確約)、Courage(勇気)、Focus(集中)、Openness(公開)、Respect(尊敬)が強く保証できた状態を築けていると考えており、その傍証ではないですが、プロダクト開発と直接的に関係ない輪読会や共同開発などの勉強会が定期的に開かれていたりしています。

実際にプロダクト品質も有意に改善しており、主にタスク分配の精度や達成率が向上したため、スケージュール遅延の発生率やエラーアラートが上がる頻度・質が1年前と比較できないほど(ざっくり 10~30 倍程度)向上しました。

 

開発メンバーの感想

実際に働いてるメンバーに働き方や雰囲気について感想をもらいました。

メンバー その1

オンボーディング時や初めて触る機能の改修を行う際にはペアプロなども積極的に行われていて、知識を共有しながら安心してタスクを進めることができます。 またすでに決まっている仕様に沿って開発するのではなく、一緒に仕様を決めながら設計、実装することができます。

一方で、QA フローの確立やテストコードの作成など品質管理には課題が残っており、ドキュメントなども不足しているのでまだまだ改善の余地があります。

チームの雰囲気は、時々 Discord で雑談をしたり、数ヶ月に1回オフラインで飲み会をしたり、いつもリモートで各々作業していますがとても良い関係値を築くことができています。

メンバー その2

業務外で様々な経験をしている人が集まっており、開発や輪読会などを通じて、各メンバーの多様な個性がシェアされています。

「コミュニティ」や「価値観」といった多面的な対象を扱うチームにとって「多様な個性がシェアされる」ことは非常に重要なことだと思いますし、このようなチームでの働き方の方針をデザインし運用しているメンバーの皆さんに感謝しております。

メンバー その3

開発メンバー同士の雰囲気は非常に良いと感じています。

最近は正社員よりも業務委託メンバーを厚くする傾向が多くの会社でも見られるので、潮流にも乗っているのかなとは思いました。

技術的な役割に関しても、フロントエンドとサーバーサイド、インフラでそれぞれ分担できていますし、サービスが継続不能になったケースもほぼないと思っています。

また、定期的に食事会が開催されたりなど、メンバー同士のコミュニケーションもあり、冗談を言える仲であるのも特徴的かと思います。

課題とこれから

本記事では、NEWPEACEのソフトウェア開発体制として、業務委託の開発メンバーの働きやすさをどう考え、作っているかをご紹介しました。

結果として働きやすさについては大幅に改善し, 開発品質も如実に上がってきており、メンバーからも一定の満足度を得られていると考えているのですが、実際のところエンジニアとして働くメリットはまだまだ薄く、特に技術的な側面においてのアドバンテージが提供出来ていないと感じています。そのため今後は「自分を含む各メンバーの成長をより加速させるためにはどうすればいいか。」を考えつつ開発体制をさらにブラッシュアップしていこうと思います。

 

また comcom Analytics の開発方針としては、改善を繰り返しつつ取得したデータを活かし、さらにコミュニティに対して還元できるよう、チーム一丸となって努めていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

また感想を書いていただいた開発メンバーのみなさんもありがとうございました。これからも何卒よろしくお願いいたします。

 


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