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Z世代に愛されるブランドと嫌われるブランドは一体何が違うのか?

こんにちは、22年新卒入社の桐野です。最近、ブランドがZ世代を取り込むことがますます重要であるという旨の記事をよく目にします。例えば以下のようなものです。

一部抜粋
・今後10年以内に経済の中心に君臨するであろうZ世代は、2020年時点にて全世界で1,000億ドルを超える消費力を誇っている(出典:Gulf Business)
・2021年のZ世代の可処分所得は3,600億ドルであり、2018年時点の同推計値と比べ2倍以上に昇る (出典:Bloomberg)
・Z世代の収入は2030年までに33兆ドルに達し、世界の全収入の4分の1以上を占めるようになる (出典:Markets Insider)

出典:Gulf Business, Bloomberg, Markets Insider

この3つの記事は共通して、Z世代の収入・購買力が年々上昇していることに触れながら、今後、この世代からのサポートが薄いブランドは市場で生き残り辛い、ということを強調しています。デジタルネイティブとも言われるZ世代は、SNSを介してボーダーレスに人と、そしてブランドと関係を築いているため、日本においてもこの世代の考え方やその影響力は無視できないものとなっていくでしょう。

そこで今回は、若年層にフォーカスを当てたリサーチジャーナルAdolescent2022年最新レポートを参照し、具体的にZ世代はどのブランドを支持し / 支持していないのかを調べ、同世代を魅了するブランドになるためのヒントを探ります。

Z世代を魅了しているブランド事例

1.Ben & Jerry’s

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Ben & Jerry’sが展開する、ヴィーガンアイスクリームのフレーバー画像。
出典:Ben & Jerry’s

1つ目にご紹介するブランドは、Ben & Jerry’sという米国発のアイスクリームブランドです。Adolescentは、同ブランドがZ世代より支持を集めている理由について、アイスクリームの品質を超えて、蔓延るソーシャルイシューに対してスタンスを表明し、綺麗事ではなく、実態としてアクションを起こしていることだと述べています。1978年の創業以降、CSR (コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)や、SDGsのような言葉が今の社会のように会話されていなかった時から、Ben & Jerry’s はアイスクリームを通じて、ソーシャルアクションをし続けてきました。以下は、近年同社が行ったその一部です。

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2009年、ブランド本拠地のバーモント州で同性婚が合法化されたことを受け、「Chubby Hubby(ぽっちゃりした夫)」というフレーバーの名前を「Hubby Hubby(夫と夫)」に変更。
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2016年、米国連邦議会議事堂を訪れ、2013年に最高裁が投票権法(投票時の人種差別を禁止する法律)を骨抜きにしたことを覆すための活動を始めるよう求める手紙とともに、「エンパワーミント」と印字したアイスクリームを国会議員に配る。

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2018年、トランプ政権の逆行的で差別的な政策に対抗して「ピーカン・レジスト」という限定フレーバーをリリース。平和的抵抗の最前線で活動するさまざまな団体に、同商品のセールスから10万ドルの寄付を行う。

2.Parade

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出典:Parade

2つ目にご紹介するブランドは、Paradeという米国発のスタートアップ・アンダーウェアブランドです。Adolescentは、反肥満、トランスフォビア(トランスジェンダーの人に対する不寛容、否定的な態度、言動、嫌悪を意味する言葉)などの理由で非難されてきた今までのマスブランド(e.g. Victoria’s Secret)とは異なり、体型やジャンダーなど、個人の特徴によってユーザーを排除するのではなく、包括する倫理的なブランドスタンス。また、そのスタンスが展開するサービス全方位に反映されていることが、Z世代から支持を集めている理由であると述べています。例えば、多くのマスブランドがSからXLまでしかサイズ展開をしない中、ParadeはXSから3XLとサイズの幅を広げ、個人の特徴に関わらずユーザーが心地よく商品を使用できるよう、インクルーシブな設計をしています。これに限らず、ブランドスタンスに即し、以下のようなソーシャルアクションを継続的に実行しています。

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体型、人種、ジャンダーに偏りのない、多様なモデルの起用。

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商品売上の1%を、ユーザーが選んだ国や地域のNPOに寄付している。

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テラサイクルと協業し、アンダーウェアからパッケージまでリサイクルできるマテリアルを使用。2022年、倫理的なブランドスタンスに即し、「Second Life by Parade」という下着の回収キャンペーンを実施。

Z世代の反感をかってしまったブランド事例

反対に、Adolescentが、Z世代の支持に傷をつけてしまったと報告しているブランドの事例をご紹介します。

Glossier

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出典:Glossier

Glossierは米国発のD2Cコスメティックブランドです。プロダクトデザインもモダンで可愛らしく、「美を通じて声を届ける」をミッションに、インクルーシビリティ(包括性)をコアバリューに据えています。同ブランドは、2020年に「ジョージ・フロイド事件」が起きBLM運動が激化した際にも、人種正義を支持する声明文と共に、差別問題解決に向けて100万ドルの寄付をすることを、いち早く発表したことでも有名です。ここだけ見れば、Ben & Jerry’sやParadeのように、Z世代から厚い支持を集めていてもおかしくないように見えます。しかしAdolescentは、このようなスタンスを切っているブランドにもかかわらず、そのスタンスの逆行に値する黒人労働者への粗略な対応が会社内に存在したことが明るみになり、結果、Z世代からの支持を失ってしまったと報告しています。この一件は、以下の記事のように大きくメディアにも取り上げられました。

上記ブランドの比較から、社会に蔓延るソーシャルイシューに対してスタンスを表明することはもちろん、そのスタンスに一貫したアクションを内向きにも、外向きにも継続的に仕掛けていくことが、Z世代の支持を集めるブランドになるためのヒントだと考えられます。英国のマーケティングエージェンシーFlexMRは、単なる見せかけの施策ではなく、地に根を張りソーシャルアクションを起こさなければ、Z世代はそうした嘘にすぐ気づき、離れていってしまうと述べています。ここから、アクションの一貫性が強調して重要であると考えられます。

終わりに

今回の記事では、Z世代の支持を集めるブランドになるためには何が必要か、そのヒントをAdolescentのリサーチレポートを参照しながらご紹介しました。

Z世代に限らず、メディアの民主化に伴い、ブランドはこれまで以上に一貫性のあるアクションを起こすことを社会より求められています。この一貫性は、ブランドのWHY(存在意義)を起点に形成される、VISION中心のアクションプランニングによって実体化する。私たちNEWPEACEはそのように信じ、様々なパートナー企業と手を組み、アクションを社会に実装してきました。

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