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高木新平コラム|物語を、経営のど真ん中へ。

最近、海外で「ストーリーテラー」という職種が注目されている。

 

Wall Street Journalでも、GoogleやMicrosoft、Notionのような企業が必死に、物語を語れる人材を探しているという記事が出ていた。

 

Companies Are Desperately Seeking ‘Storytellers’
https://www.wsj.com/articles/companies-are-desperately-seeking-storytellers-7b79f54e

 

その流れ自体は、とても健全だと思う。企業が「数字や機能だけでは、人も社会も動かせない」と気づき始めている証拠だからだ。

 

ただ一方で、少しだけ違和感もある。

 

本当に企業に足りていないのは、語り手なのだろうか。

語る人がいないのではなく、語るべき物語が見えなくなっている

多くの企業を見てきて思うのは、問題は「伝え方」ではない、ということだ。

 

語る人がいないのではない。語るべき物語そのものが、経営の中で見失われている。

 

なぜこの事業をやっているのか。
なぜこの選択をしてきたのか。
なぜこの会社は、存在し続けたいのか。

 

かつては、そうした問いへの答えが、言葉になっていなくても、空気として共有されていた。

 

けれど、事業が増え、組織が大きくなり、管理や最適化が進むにつれて、企業は少しずつ「意味」より「正解」を優先するようになった。

 

その結果として、こんな症状が現れる。
• 会議で意見が割れる
• 判断に時間がかかる
• 若手が動けない
• 中期計画がスローガンで終わる
• ブランドが外注物になる

 

これらはすべて、物語が経営の中で共有されていない組織に共通するサインだ。

 

物語は、感動のためにあるのではない

ここで言う「物語」とは、広告のための演出や、感動を生むための装飾ではない。

 

僕たちが考える物語とは、

 

人が迷ったときに立ち戻る判断基準であり、
未来から現在を引っ張る力学そのもの

 

どの事業に投資するのか。
どこから撤退するのか。
誰を採用し、何を任せるのか。

 

こうした意思決定を、数字やロジックだけで行おうとすればするほど、組織は迷い、分断され、疲弊していく。

 

だから本当に必要なのは、ストーリーをうまく語れる人を雇うことではない。

 

物語で経営する、という覚悟だ。

NEWPEACEがやってきたこと

僕が率いるNEWPEACEは、いわゆる「ブランディング」を仕事の中心にしてきた会社ではない。

 

僕たちがやってきたのは、もっと内側の仕事だ。
• 経営者が、本当はどんな未来を見たいのか
• 何を恐れ、何を信じて、ここまで来たのか
• その想いが、どこで事業や組織とズレてしまったのか

 

そうした問いを、対話を通じて掘り下げ、経営の意思決定に耐えうる「物語の芯」を取り戻す。

 

それを、ビジョン、戦略、組織、ブランド、事業にまで接続し、実際の判断や行動が変わるところまで伴走する。

 

僕たちはこれを「ビジョニング」
言い換えれば、「物語駆動型経営」と呼んでいる。

ストーリーは、経営インフラになれる

 

物語が経営のど真ん中に置かれると、何が起きるか。
• 会議が短くなる
• 判断が速くなる
• 若手が自分で動けるようになる
• 採用でミスマッチが減る
• ブランドが“らしさ”を取り戻す

 

物語は、感情論ではない。経営を前に進めるためのインフラだ。

ストーリーテラーを探す前に

だから、もし今あなたの会社が「ストーリーが必要だ」と感じているなら、まず問い直してみてほしい。

 

その物語は、経営のど真ん中に存在しているだろうか。

 

語る前に、迷わずに戻れる場所として、共有されているだろうか。

 

ストーリーテラーを探す前に、物語で経営する準備ができているか。

 

僕は、そこから始めたいと思っている。

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