SAKE HUNDRED | 高級日本酒ブランドのリブランディング
CHALLENGE
OUTCOME
「世界中で愛される、全く新しい日本酒ブランドをつくりたい」そんな熱い相談を受けて、『SAKE HUNDRED』のブランドリニューアルをNEWPEACE社で実施。ワインなどに比べて“日本酒は安すぎる”という課題意識を起点として「プレミアムからラグジュアリーへ」「フレンチに合う日本酒」と方針を決め、ブランド名の再考から世界観の議論、数々のデザイン案を検証し、SAKE HUNDREDらしい姿をつくりだした。ディテールには日本文化のエッセンスを取り入れながらも全体として、顧客となるラグジュアリー層やミシュラン星付きレストランに相応しい佇まいとなった。実際、リブランディング実施後、ECでの売り上げは急増。半年で100倍もの急成長となった。
「世界中で愛される、全く新しい日本酒ブランドをつくりたい」ブランドオーナーである生駒龍史氏より熱い相談を受けて、『SAKE HUNDRED』の全面的なブランドリニューアルをNEWPEACE社で担当しました。ワインなどに比べて“日本酒は安すぎる”という課題意識を起点として「プレミアムからラグジュアリーへ」と方針を定め、ブランド名の再考から世界観の議論、数々のデザイン案を検証し、SAKE HUNDREDらしい姿をつくりだしました。ディテールには日本文化のエッセンスを取り入れながらも全体として、顧客となるラグジュアリー層や星付きホテル・レストランに相応しい佇まいとなり、リブランディング実施後、ECでの売り上げは急増。前年比13倍もの急成長にも貢献しました。
そこで、ブランドパーパスの『心を満たし、人生を彩る』という言葉を軸足にしながら、ラグジュアリーブランドとしての姿(ビジョン)を描いていきました。
お客様と触れるものは、すべて情緒的価値を提供する「ラグジュアリー」として適切でなければなりません。 ロゴマークからラベルデザイン、ボトル、ウェブサイトのデザインから言葉選びまで。 あらゆる面をお客様へ情緒的価値を提供する上で正しい装いへと変えていきました。 ブランド名も、算数字の”100”をアルファベットとし、「SAKE HUNDRED」へ変更しました。
クリエイティブの刷新は、私たちが掲げるべき言葉やブランドとしての思想を明確にする議論と並行して進みました。 そのため、クリエイティブから思想が深まり、思想からクリエイティブが明確になるなど、 相互作用的に「クリエイティブ」と「ブランドイメージ」が明確になっていったのです。
それまで掲げていたステートメント『100年誇れる1本を。』を見直し、新たなメッセージを策定しました。 『そのすべてが満ちていく。』というステートメントは、ブランド主語からお客様主語への転換であり、美味しさ以上に味わえる体験像を描き出したものです。
「満たす」とは、優れた味わいによって味覚を楽しませることだけではありません。 心の充足に貢献し、さらに、人と人との豊かな関係を築いていくこと。 最上の体験によってもたらされる、身体的・精神的・社会的な満足、そのすべてを「満たす」ことがSAKE HUNDREDがお客様へお届けする価値だと定義しました。
リブランディングにあたり、あらゆるクリエイティブを刷新しました。クリエイティブは、お客様の心とブランドを媒介するもの。新しいSAKE HUNDREDの持つ世界観や、提供したい価値、目指す姿を一瞬で伝わるようにするのが、クリエイティブの役割です。 まず私たちが最初に着手したのは「ラベル」です。一般的にブランディングはロゴから作りはじめることが多いですが、日本酒のシンボリズム(象徴性)の観点からラベルを構想していきました。世の中のブランドには、様々なシンボルがありますが、いずれも接する人々の記憶へ残る強さを持っています。 「見たことがある」「憧れていたものだ」という空気感や意識を生むうえで、シンボルが与える印象は重要です。
ラベルをデザインするにあたり、キーワードとなったのが「エレガンス」です。 知的で洗練された—そうしたイメージをクリエイティブが纏うべきトーンに据えました。
その佇まいをラベルで表現するために、フォントの選び方や配置、線の太さ、余白など、ひとつひとつの要素を設計。 ラベル全体で見たとき、私たちの目指す“エレガンス”が感じられるかを考え抜きました。
全体の要素と、ラベル自体も線対称である菱形にして、ブランド名を中央に据えることで、堂々とした佇まいと自信を表しました。 また、この菱形には、磨かれたお米の姿と、日本で伝統的に縁起の良い文様とされる「吉祥文様」の意味を重ねています。
また、米の色であり、清酒の透明感を表現する「白」をブランドのキーカラーとして採用しています。 洗練された品格と日本の美意識が融合することで、日本文化という原点を持ちながらも、グローバルに通用するSAKE HUNDREDの新しい表現です。
新たなラベルクリエイティブを起点に、SAKE HUNDREDオリジナルの白箱や様々な付属品、またストアとしてのウェブサイトなどを統一的にデザイン。体験ビジュアルも従来の日本酒とは一線を画した、顧客となるラグジュアリー層や星付きホテル・レストランに相応しい佇まいを作り上げました。
リブランディング実施後、コロナ禍での追い風もあり、ECでの売り上げは急増。SNSにおいてもSAKE HUNDREDは注目を集め、売り上げは前年比で約16倍へと急成長しました。もちろん、この刷新はブランドとしてスタート地点に立ったに過ぎません。 ブランドはお客様とのコミュニケーションによって形づくられるものです。 ときには、お客様の体験やブランドの在り方が変化する場面があるかもしれません。 そうした積み重ねによってブランドは成長していくのです。
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