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Instagramの次のSNS!? BeRealの流行の背景を考えてみた。

はじめまして。newpeaceのインターンの、田中理那です。私は大学4年生で現在都内の大学在籍中ですが、最近周りでも爆発的な話題を呼んでいるフィルターが使えないSNS、BeRealについて、流行の背景にある「リアルの感覚」について考えたいと思います。

Instagramの光と影

BeRealを知るにあたって頭に置いておくべきはインスタグラムの存在です。
10億人のユーザー数を誇り、主要なSNSの地位に上り詰めたインスタグラムではありますが、日本でのリリースから10年も経っていません。その爆発的なインスタグラムの波を作った世代である今の大学生が、BeRealの主なユーザーとなっています。

インスタグラムが登場してから10年弱で、SNSは大きな進化を遂げました。多くの加工アプリが登場し、編集が得意な人に限らず多くのユーザーがフィルターや加工アプリで手を加えて投稿したり、数十秒の動画を編集しリールとしてアップするようになったことで、誰しもが障壁低く気軽にクリエイティブにアクセスできるようになり色々なものが生み出されました。「多様性」がホットトピックになっていたという時代的な背景もあり、それぞれが鮮やかに自分の意思表示や表現の発信の場になったことも確かでしょう。クリエイティブに興味がなくても、日常のシェアだけでなく「自分の一部として表現するため」に使用する人も多いように思います。
アウトプットする機会や場所がない、多くの若者にとってクリエイティブに触れ発信できる一番身近な場所はインスタグラムであることは少なくないはずです。(私もその一人です。)

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Instagram公式アカウントが紹介するInstagramクリエイター

しかしクリエイティブを民主化したというポジティブな側面がある反面、画面上のきらきらした日常のフィーチャーや加工済みのスタイルが切り出されることで、コンプレックスを刺激されるなど若い世代にネガティブな影響をもたらすことも社会問題としてあげられるようになりました。フォロワー数が多いインフルエンサーに敬意を払いながらも、インスタグラムや「映え」に拘りすぎることは何となく「イケてない」と感じるようになった大学生は少なくないはずです。
思えば、私たち大学生の中で「あなたインスタグラマーだね」という言葉は、人によっては誉め言葉よりも他人の目を気にを過度に気にすることへの冷やかしの言葉として捉えられることも多くなったように感じます。

BeRealとは?

そんな背景の中で誕生し海外のZ世代を中心に爆発的な人気を起こした、インスタグラムに似ているようで程遠いアプリがBeRealです。

BeRealは一言でいうと、「リアルを共有すること」に特化したSNSです。

 

日本の若者にも海外のトレンドに敏感な人の中で徐々に広まってきている印象です。Bloombergでもインスタグラムにとってかわりつつあることが紹介されており、clubhouseやインスタグラムを作ってきた投資家がこぞって出資していることからも注目度が伺えます。2022年8月下旬には、Appleのapp storeでFacebookやWhatsAppを抜き無料SNSアプリのダウンロード数が1位になりました。

 

このアプリには核となるいくつかのルールが存在します。

一日に一回ランダムな時間に、ユーザー全員に通知が来る。
通知が来たら2分以内に撮影し、投稿する。(友達のみか全体公開か選択できる。)

この2つのシンプルなルールがこのアプリの肝です。撮影は、スマートフォン前面カメラだけでなく背面カメラでも同時に撮影され、加工はできずにその場ですぐアップされる仕組みとなっています。もちろん通知が来てすぐ撮影できる状況ではなかった場合、時間を置いて後から投稿することは可能ですが、投稿した際にどのくらい遅れたのか表示されてしまうなどと時間の遅れや取り直しには厳しいようです。

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投稿のイメージ。ほぼ同時に投稿されたことが分かります。

また、BeRealにはお互いシェアされた投稿に反応できる機能があります。しかしそれは他のSNSのようにスタンプを送るのではなく、自分の顔で反応してセルフィーを送るというリアクションの仕方であり、RealMoji(下画像参照)と呼ばれます。全然知らない国の知らない人の投稿に自分の表情で反応する、それはあまりにも温かくアナログでリアルなコミュニケーションだと感じました。

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Realmoji

BeRealが刺さる理由

実際に私自身も、2週間前に海外の友達に誘われBeRealを使い始めました。今まで自分の見ている世界の中でも好きな部分を切り取って投稿することに慣れていた私にとって、自分の視界がそのままくり抜かれほったらかしのコード類や整理されてない部屋が写ることに抵抗がありましたが、リアルな風景を視界のまま写すことに少しずつ慣れ「日常を知らない誰かと交換する」ことを楽しめるようになりました。

また、他のSNSに比べ圧倒的にシンプルでありヘルシーであることは大きな特徴です。投稿は一日に一回であるため、そこまでアプリの使用時間はInstagramやtwitter、tiktokなどに比べ、人によって差がなく誰しもがヘルシーにSNSと付き合うことができることも支持されている理由の一つです。

もちろんユーザー数が伸びても課題は残っています。2分という限られた時間で写真を撮ることによって「整えられていない」情報が発信されるため、家の中やパソコンの画面などが写りこむなどのセキュリティ面や、咄嗟に取るために運転中の写真撮影なども問題視されている。マネタイズの壁も避けて通れないでしょう。ユーザーのリテラシー向上やアプリの進化は大きな課題です。

終わりに

「SNS中毒」が問題と言われることもある大学生の世代ですが、SNSの雑で暴力的にもなりうる側面を肌で感じていたことがBeRealの人気にあらわになったのではないでしょうか。BeRealは既存のSNSに対する疑問提起でもあるように思えます。

「便利」なSNSではないけれど、昔あった交換日記のような、素朴だがその素朴さゆえに愛を感じられるコミュニケーションと計算がないがゆえに愛おしいリアルがありました。まさにインスタグラムが流行り始めた時代に最も盛り上げた世代が、今最も共感している繋がり方が、「リアルさ」であることは示唆的ではないでしょうか。
たった2週間しか使っていないものの、最初はアップに抵抗のあった日常の視界も2週間分たまると愛おしく思えてきます。

「切り取る」ではなく「視界を残し分かち合う」SNS、これからも注目したいです。

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