価値観で繋がれるコミュニティを目指して| ライフスタイルブランドO0uの展示会レポート
イベント
2023.07.31
- #コミュニティ
- #コミュニティマネジメント
7月5日(水)〜7月9日(日)、渋谷ヒカリエにて、ライフスタイルブランドO0uの2023AW展示会が開催されました。
「O0u(オー・ゼロ・ユー)」は、サステナブルな素材や製造技術にこだわったライフスタイルアイテムをD2Cで展開するブランドです。
今回、新作コレクションのお披露目に際し、「Feel Good &Make More Good.」のテーマの下、NEWPEACEのブランディングとコミュニティマネジメント領域での知見を活かし、O0uの生産背景や想いに共感したアーティストたちとのコラボレーションを実現した展示会をサポートしました。この記事では、展示会の様子や、プロジェクトの背景をお伝えします!
なぜコミュニティが必要なのか?ブランドの抱える課題
新しい生活様式や価値観のもとで誕生したライフスタイルブランドO0uは、2020年にできた新しいブランドです。サステナブルな素材や、製造技術にこだわったライフスタイルアイテムをD2Cで展開しています。O0uのブランドネームにも入っている、0(ゼロ)には、循環やなにもない、という意味がこめられるなど、商品だけでなく、商品を通したライフタイルの価値観を提供することを目指しています。
最近は、SNSなどの普及により生活者がブランドづくりに影響力をもつ時代となってきました。NEWPEACEでも、これまで様々なブランドづくりに携わってきて、ブランドが自身を定義し、ディレクションするだけでブランド作りをすることは難しく、いかにその過程にユーザーを巻き込めるかが重要となっている局面に入っているかを実感しています。
ユーザーと対話しながら、ファンとして育て、コミュニティを作っていくことに加え、モノやサービスだけではなく、それを起点に周囲との関係性をつくる場を増やし、ブランドに愛着を持ってもらうような体験づくりもブランドの成長に欠かせません。
O0uでも、上記のようなブランド作りを行っていく上で、思想に共感し、ブランドを育てていくファンを作ることがまずは大事だと考え、これまでにも様々な取り組みを行ってきました。
「ファッションを楽しむ」ことは大事にしつつも、サステナビリティに限りなく配慮したブランドを自分達の手で作ろうと設立されたブランド・O0u。大量に生産・消費をする現代社会へのアンチテーゼ的にはじまったブランドだけに、そのこだわりは商品ページのサステナビリティ欄において二酸化炭素排出量の開示や、Me & THE EARTH というオウンドメディアからも現れています。ブランドの持つ意志をInstagramや展示会を通して伝播していき、共鳴するアーティストやユーザーと繋がることがブランドを体現するために重要だと考えています。
NEWPEACEでは、コミュニティづくりを行いながら、ブランドを育てていくことに取り組んでいますが、今回のO0uの展示会におけるアーティストのコラボレーション企画もその取り組みのひとつです。O0uの製品だけでなく、ブランドの哲学や思想に共感するユーザーと対話する場を作ることで、ブランドのコミュニティを作り、生産と消費だけの関係性ではなく、新たな価値観を社会に生み出すブランドを育て、繋げていく機会にしたいと考えています。
熱量の高い界隈を巻き込み、コミュニティを活性化する。
今回の展示会は、接点のなかったコミュニティからアーティストを巻き込むことで、O0uの掲げる哲学や思想を表現しながら、ブランドの熱量を生み出していくきっかけにしたいと考えました。これまでも、O0uではサステナビリティに意識のある人たちや、アーティスト、メディアなどとのコラボレーションをしており、一時的なタッチポイントや認知の拡大にはつながっていました。しかし、ブランドのアセットとして積み重ねていくのは難しく、ブランドへの熱量を生み出すまでには至っていませんでした。
これを解決するために、ブランド周辺にO0uをキーワードとした繋がりを拡げ、「共創」しあうコラボレーションの実現が重要だと考えました。今回は、O0uの掲げる「新しい、ふつう。新しい、かっこよさ。」という思想への共感度が高く、それぞれの界隈で活躍するアーティスト4人をフックしました。また、今回の展示会を機に、これまでECサイトのような無機質な見た目だったInstagramも、ブランドのこだわりが直感的に伝わるようクリエイティブ表現としてブラッシュアップすることで、これから作りあげるO0uコミュニティの価値を醸成するための素地としました。
思想を反映する空間演出
NEWPEACEは、O0uのAWコレクション展示会をクリエイティブの観点からディレクションしました。これまでの展示会とは異なり、O0uの価値観に共感したアーティストがつくるO0uの思想を追体験できるような空間にしました。熱量のあるブランドをユーザーと共につくるためには、来場者の一人ひとりに直感的に「いいな」と思ってもらい、ファンになってもらうことが重要だと考えました。そのため、ブランドの思想を商品だけではなく、空間全体で体感してもらえるよう、直感的なアート表現として落とし込みました。
まず、展示会のテーマ「Feel Good, Make More Good」から開発しました。これは、NYで活躍するタイポグラファーであるRyo Kumazakiに、今回のコンセプトを象徴することばとして考案してもらいました。
「自分の心地よさを探り、楽しみながらサステナビリティに向き合う」というブランドの思想をわかりやすく表すこのタイポグラフィーは空間全体に落とし込むだけでなく、各種アイテムに載せたコラボレーションアイテムを制作することで、来場者の方にO0uの思想に触れてもらう機会をつくりました。
また、NY在住アーティストのJoe Garveyにも、ブランドの思想にインスピレーションを受けたグラフィックを制作いただき、コラボレーション商品を制作しました。自然への畏敬と日常とのつながりを表現するひまわり、月、花で構成されたグラフィックに仕上げていただきました。
展示会空間の入口には、大規模なドライフラワーの作品が来場者を出迎えるように置かれ、廃棄残布で制作したオブジェクトが目に入ります。これらは展示空間テーマのもとに統合するためにコラージュアーティストYabiku Enrique Yudi に制作してもらいました。
特に、オブジェクトはO0uで廃棄される予定だった残布をパッチワークのように重ね、アート作品として昇華させています。
さらに、Hyle が廃棄予定だったコーヒーグラウンズによるO0uのプロダクトの染めや、過去の作品を活用して空間を制作。
Hyleは、自分のコミュニティ内から譲ってもらった廃棄されてしまう食資源のみ、染めや制作に活用するというポリシーを持っており、今回もコーヒースタンドからエスプレッソを作る時に余る豆の削りかすを集めて、O0uのTシャツを染めてもらいました。
展示会最終日には、急遽シルクスクリーンのワークショップも実施していただき、来場者とブランド担当者が、アーティストの存在を媒介して繋がる機会にもなりました。このように展示会場で、アーティストがこれまで作ってきた支持や熱がブランドにも伝播していくことで、コミュニティ拡大の機運が高まるのだと感じました。
このように、O0uの哲学を媒介としてアーティストと繋がり、展示会のアウトプットを共に制作することで、来場者が思想を体感する場をつくることができるだけではなく、O0uが同じサステナビリティに関する領域で活躍するアーティストの共創の場として機能していくことをめざしました。
“新生O0u” として、価値観で繋がれるコミュニティを目指して
今回は、これまで掲げてきた思想に共感する人たちが集まるブランドを作るため、展示会制作を通してO0uをサポートしました。ファッションを楽しみながらも、心地よさに繋がるサステナビリティは大事にする。そのような価値観のもとにコミュニティをつくるための第一歩として位置付けた今回の展示会では、アーティストたちの力を借りながら、O0uの思想を体感できる場をつくりました。ブランドの掲げる価値観を媒介としながら、アーティストやそのファン、ブランドのユーザー、ブランド担当者が交わる様子を通して、共感が広がりはじめるのを感じました。
熱量のあるブランドをつくるのには時間がかかりますし、今回の展示会もひとつのアクションにすぎません。このような場を何度も重ねていくことで、ブランドへの信頼や共感が蓄積されていくと考えているので、今回を皮切りにO0uの新たな挑戦をサポートしていきたいです。
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