30日間でスタート地点へ | オンボーディングプログラムをアップデートしました。
カルチャー
2023.07.21
- #DEIB
今回ご紹介する取り組みはオンボーディングプログラムです。当社で実施しているオンボーデインングメニューについて、どのように設計したのか?実施・改善を行っているのか?について紹介します!
こんにちは。NEWPEACEでDEIBプロジェクトのオーナーをしているWine(ワイン)です。
DEIBプロジェクトでは、社内のDiversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括)、Belonging(帰属)という視点を持ちながら、新規の取り組みや管理システム・運用体制の構築とアップデートを行っています。
今回ご紹介する取り組みはオンボーディングプログラムです。
この記事から分かること
- 応募検討中の方:当社のオンボーディングメニューの概要
- 人事担当者:すでに運用しているオンボーディングメニューのアップデート方法
- D&I、DEI、DEIB担当者:自身の取り組みとHR施策であるオンボーディングとの接続
きっかけ
わたしはDEIBプロジェクトのオーナーだけでなく、4月からHR(組織人事)を兼任しています。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、現在NEWPEACEでは新しいメンバーとの出会いを探しています。そこで、入社したメンバーがスムーズに1日でも早く業務でご自身のスキルやノウハウを存分に発揮できるように、まずはオンボーディングメニューを見直すことにしました。
実は、わたしが入社した2年前はオンボーディングメニューが開始されていませんでした。メニューがなかったという観点において、入社時に下記のような原体験がありました。
- あらゆる物事において運用レベルのルール・フローなのか、それとも暗黙知のカルチャーなのか判断がつかなかった。
- 「なんでも聞いてね」と言ってくれる人にばかり頼ってしまい、工数を奪っていないか不安になった。
- 情報やドキュメントのありかを捜索する日々を過ごしていた。
2023年現在は、オンボーディングメニューが運用されています。今回のアップデートにおいては、3つの視点のバランスを意識して取り組みを開始しました。
- 働くメンバーとして、自分自身の原体験に近しい状況が発生しないこと。
- DEIBプロジェクトのオーナーとして、個々のメンバーに合わせた柔軟性、共に働く仲間とポジティブに繋がれる帰属意識へ貢献できること。
- HRとして、今後長期運用に耐えられる強度で、誰が行っても同じクオリティの体験を創出できる再現性の高い設計をすること。
どのように取り組みを進めたのか?
わたし自身がいつも大切にしているのは、統計データや他社の先行事例、研究論文などをリサーチすること。そして声を聞くことです。
マイルストーンをフェーズで分けました。
フェーズ1 ヒアリング&リサーチ
フェーズ2 課題の抽出&課題の整理
フェーズ3 リリース前のヒアリング&ブラッシュアップ
フェーズ4 運用開始
フェーズ5(2023年7月現在のステータス) オンボーディングを受けた方、実施に関係した方にヒアリング&アンケート・改善サイクルへ
フェーズ1:ヒアリング&リサーチ
まず初めに、メンバーへのヒアリングを実施しました。
5つの壁(こちらの記事での説明がわかりやすかったです)に沿って、オンボーディングを受けた方、オンボーディングの実施に関わった人にヒアリングを行いました。
ヒアリング後に、ポジティブなコメントは緑、赤はネガティブ、黄色はニュートラルと意見を色で分類しました。
5つの壁の内、受入側では成果の壁のみにネガティブなコメントがありました。一方でオンボーディングを受けた側は成果の壁以外に指摘がありました。このギャップを埋めていくために、受入側のモチベーションを維持しつつ、オンボーディングを受ける側の困難をどこまで減らすことができるのか?という点が焦点になると感じました。
続いて、わたし自身がベンチマークにしているオンボーディングメニューを展開している企業の方にも、創意工夫点のヒアリングやメニューの方向性についてフィードバックをいただきました。
フェーズ2:課題の抽出&課題の整理
社内外のヒアリングの結果やその時点までのリサーチ情報を精査し、現状の状況をプロットし、現状の課題を4つに絞り込みました。
次に、オンボーディングプログラムの意味づけとゴール設定を行いました。
目的:ミッション、WAYとOKRを理解し、自分自身に求められている成果に向かって走り出すスタート地点まで伴走し背中を押すこと。
ゴール:入社した30日以内に設定された5つの壁全てをクリアしている。
留意点:早期立ち上がりによる孤立化を回避しながらも、事業貢献できる人材化していくための入社からの30日をマイルストーンの初めのステップとして設定。
また、新たにメンバーの組織適応や事業貢献のタイムラインをフェーズ毎に整理しました。
※図中ではContinuous Feedback(継続的評価)をCFBと表記しています。
フェーズ3:リリース前のヒアリング&ブラッシュアップ
事業部のマネージャーや教育を行うメンバー、そして社外のアドバイザーにもご協力いただきヒアリングを行いました。事業部のマネージャーとメンバーとは、下記の図表に基づいて実際の運用場面での連携時に発生する可能性のある想定課題について協議しました。
上記のように、入社者が早期に活躍するためにHRができる仕掛けづくりを議論するを参照して弊社向けの体制を整理しました。
社外のアドバイザーの方には、オンボーディングを受ける方に参照してもらう資料についてのフィードバックをいただきました。その中で、「説明資料や入社式中などに自社のミッションやWAYを組み込むことが帰属意識の基盤作りやカルチャー体現に繋がる」というアドバイスをいただいたのですが、メニューのブラッシュアップの随所に活かすことができたと感じています。
最終的なアウトプットとして、2つの観点で資料を準備しました。
新しいメンバー向け
- オンボーディング全体の説明資料
- 日単位にブレイクダウンした30日間のマイルストーン
関係者向け
- 虎の巻
フェーズ4:運用
実際にオンボーディングを開始してからは、DEIBのBであるBelonging(帰属)が創出できるよう自分自身が前向きに関わることを意識しました。
負担にならないよう配慮しながら、新しいメンバーと入社前からコミュニケーションをとり、社内イベントなどにも可能な範囲で遊びに来てもらいました。
周りのメンバーに馴染んでFikaを楽しむ新しいメンバー。
月末最後の金曜日の “Family Dinner”に遊びに来てくれたメンバーは、多くのメンバーとのコミュニケーションを楽しんでいました。
入社の1週間前と前日には、入社当日のスケジュールだけではなく、社内の雰囲気が伝わるような情報をシェアしました。
そして入社式当日、わたしは入社前から新しいメンバーとコミュニケーションをしていたのでということもあり、持っている魅力を受け入れる側のメンバーに知ってもらえる場になるようにマイクパフォーマンスを意識しました。そして「今日からNEWPEACEメンバーなんだ!」と新たなスタートを感じられるように、レターや必読図書の贈呈を所属ユニットのマネージャーやメンバーから手渡してもらうことにもこだわりました。
7月からは入社式の背景もアップデート。当社のCIに合わせた背景をArt DirectorのYOPPYに作成してもらい、投影しました。メンバーの反応が非常に良く、帰属意識の醸成やカルチャーの体現には、小さなことに思えるような取り組みの積み上げが大切なのだと実感しました。
入社式の後には、ウェルカムランチも実施しました、詳しくはこちらの記事をお読みください。
スラックでは新しいメンバーとオンボーディングに関わるメンバーのみのチャンネルを作成し、進捗や困りごとがないかというコミュニケーションを適宜行いました。
フェーズ5:改善サイクルへ
現在、属人性が高い運用状態であるため、次回のアップデートではどなたが実施しても同じクオリティのプログラム実施ができるよう、再現性の高さと汎用性を意識したアップデートを視野に入れています。また、今回の新オンボーディングメニューを受けてくださったメンバーに定量アンケートと雑談スタイルでのヒアリングへの協力をお願いし、磨きをかけていきたいと思います。
DEIBとのシナジー
今回オンボーディングプログラムとDEIBの取り組みの親和性の高さを実感しました。
- 名前の呼び方に関する整備を行なっていたからこそ、ご本人が希望とする名前や敬称、プロナウンのヒアリングと社内メンバーがそれぞれ希望している呼び方をスムーズにコミュニケーションすることができました。またウェルカムランチの際にメンバーから「希望の呼び方と敬称はもうnotionのメンバーページに載っていますか?」と声をかけてくれました。この言葉で名前の呼び方を大切にするというカルチャーとして根付いて、ワークしていました。
- 「入社初日から活用できる風邪や通院、看病、生理などに活用できる特別休暇があったことで安心できた」というコメントをいただきました。
- アレルギー/食主義の一覧というリストをインターンのメンバーが以前作ってくれていたのですが、現在はDEIBが運用を引き継いでいます。こちらのリストは、ウェルカムランチのメニュー決めや歓迎会を設定するユニットのメンバーが活用(自らヒアリングし、リストを更新してくれました)してくれました。
まとめ
更新の観点を整理すると下記の5点に絞ることができます。
- 社内の声を聞き、定性・定量的に分析する。
- 社外の取り組みをしている方にも話や意見を聞く。
- 他社事例のgoodポイントをそのままインストールするかは事前によく検討する。
- 社内の関係者を増やすと同時に勇気を持って役割と責任範囲を明確にする。
- 既存メンバーに進捗シェアを行う。
オンボーディングの目的である「ミッション、WAYとOKRを理解し、自分自身に求められている成果に向かって走り出すスタート地点まで伴走し背中を押すこと」を大切にこれからも取り組んでいきます。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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