コミュニティが先か?カルチャーが先か?100人以上が参加した第2回CxC夏祭り【イベントレポート】
イベント
2023.08.09
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都市(場所)に生まれるカルチャーって?コミュニティって?今話題のコミュニティ共創型プロジェクト「ハラカド」をテーマに、話が尽きないコミュニティ×カルチャー論で大盛り上がりした第2回CxCのイベントレポートをお届けします!
2023年7月26日(水)、コミュニティビジネスを展開するTieUpsとNEWPEACEが共催するプロジェクト「CxC」の2回目となるリアルイベントがNEWPEACEオフィスで開催されました!
第2回目となる今回のテーマは「コミュニティ×カルチャー」。
メインは、高円寺の「小杉湯」3代目 平松佑介さんと、アートディレクター/株式会社れもんらいふ代表 千原徹也さんによるトークセッション。2024年春にできる原宿の新商業施設「ハラカド」を話題に、コミュニティとカルチャーについて熱く語っていただきました!
トークセッションだけでなく、イベントでは横の繋がりが生まれる様々なお祭りコンテンツも!!お酒を片手に初めましての人と語りあったり、「コミュニティかるた」を作ったりと、たくさんの交流が生まれるあっという間の2時間半でした。
今回は大盛況となったイベントの全貌をお伝えします!
イベントのタイムスケジュールはこんな感じでした!
18:30- 開場OPEN(横丁フード、ドリンク提供開始)
19:00-19:50 トークイベント「都市と文化とコミュニティ」
19:50-21:30 フリータイム交流会
「コミュニティってどこから生まれるんだろう?」をみんなで考えたトークセッション「都市と文化とコミュニティ」
トークセッションでは、施設入居者間の共創を促す運営コミュニティの形成などすでに注目を集めている、2024年春に開業予定の「ハラカド」に携わる平松さん(小杉湯 3代目当主)、千原さん(アートディレクター/ れもんらいふ代表)をゲストに迎え、一時的な流行ではなく、文化をつくる「共創」が生まれるコミュニティの秘訣やその作り方について、コミュニティ×カルチャー談義を行いました。
どんな会話が生まれたのか?当日のトークセッションのログを少し公開したいと思います!
教えて!みんなのコミュニティ×カルチャーの話
ひぐち)みなさん自己紹介、ありがとうございました。そろそろ、今回の本論に向かいましょうか。コミュニティとカルチャーは互いに相性がよいなあと思いますが、すこし議論の補助線を引けたらと思います。
コミュニティがカルチャー、あるいは「シーン」とつながりやすいのは、やっぱり「都市」でしょう。戦後の東京だけでも、70年代の新宿カルチャーとジャズ喫茶、80年代以降の渋谷系とPARCO。90年代からの裏原ブームを牽引したNOWHERE などのショップの数々。カルチャーには、中心として語られる複数の「場」、すなわち様々なコミュニティがありました。
じゃあコミュニティ、あるいは「場」があれば、カルチャーになるのか。それはそんなに単純なものではないと思います。個人的な仮説ですが、コミュニティがつながる「媒介」が重要になってくるのではないでしょうか。
それは音楽かもしれないし、映画かもしれない。あるいは雑誌、ファッション、銭湯もその装置の1つなんじゃないかな、と思っています。
コミュニティが繋がり、空気を作っていくために、思想を乗せるメディアが重要なのだろうな、と。
小原)さて、そんな前提を共有しつつ、コミュニティ化しやすいものはなんだろうと考えると、わたしは「斜め上」と定義できると思っています。
「斜め上」というのは、少し先進的で上下のない・尖ったもの。具体的には「新宿カルチャー」や「裏原」など…尖っているからこそコミュニティ化しやすいのではないでしょうか。
しかし、小杉湯はお風呂に入って湯上がりにアイスを食べたり、牛乳を飲んだり…元々「斜め上」ではなく「日常」に寄り添ったものですよね。
基本的には、「斜め上」を探してコミュニティ化しようとすることが多いですが、小杉湯はどうやってコミュニティにしたのでしょうか?
平松)難しい質問ですね!(笑)高円寺と小杉湯の関係は、「街の歴史」がポイントになります。
高円寺は、関東大震災で焼けなかったため人口が大幅に増加しました。しかし、第二次世界大戦の空襲で焼けてしまったため、復興のために闇市が流行った過去も。そのため、高円寺は街として「多様性を受け入れやすい」カルチャーが育ったことが特徴にあります。
僕が思うに、小杉湯はコミュニティではなく、環境です。多世代で多様な人が日常的に集まっていて、結果的にコミュニティが生まれていると感じます。
ひぐち)高円寺の歴史がコミュニティにも繋がっていたとは…驚きました。原宿カルチャーもそうですが、地元じゃうまくいかなかったり、何かしらの理由でその場所に流れ着いた人が集まると、新しいものが生まれたり、というのがあるのかもしれないですね。
平松)「ハラカド」のできる原宿も高円寺と似ているんですよね。
原宿は銭湯がない街なので、「銭湯がない街に銭湯をつくる」社会的な意義を証明するきっかけになると思っています。僕は「街に愛される銭湯」を作りたい。では、「街に愛される銭湯」をつくるにはどうすればいいのか?というと、「街を愛している人」=「長年原宿に住んでいる人」に愛される銭湯をつくる必要があります。
原宿生まれ原宿育ちの方に話を聞いたところ、過去に米軍ハウスにはアメリカの人が住んでいたり…アメリカのカルチャーが元々すごくある場所だったので、実は他の人を受け入れる土壌のある街なんです。
改めて、僕らが高円寺で銭湯をやる意義と、原宿で銭湯をやる意義には通ずるものがあると感じています。
僕が千原さんの話で好きなのが、あそこが創業の地なんですよね?
千原)そうそう、12年前、人のビルを間借りして自分の会社をやっていて、そこが「ハラカド」のビルで建て替わった場所なんです。紆余曲折あって、なんと帰ってきたっていう(笑) 感無量ですね。
僕たちが好きだった昔の原宿って、小さなレコード屋があったり、ギャラリーがあったり…街を歩く面白さがあったけれど、どんどん商業施設に入れ替わっていっているのも事実です。また新しく商業施設が建つんですか?という声もありましたよね。
コミュニティが先か?カルチャーが先か?
ひぐち) 建物が新しくなっても、文化が残るようなコミュニティ作りができると良いですよね。
千原さんといえば、まさにカルチャーの方だと思います!よくコミュニティの界隈では、コミュニティが先か?カルチャーが先か?という議論がありますが、千原さんはどう思われますか?
千原)「カルチャー」って東京のものだと思っています。僕は28歳まで京都に住んでいたけれども「カルチャー」という言葉は使っていなかったです。
昔、京都には「METRO」というクラブがあって、そこに行くと、新しい音楽やファッション、色々な人に出会えました。インターネットのない時代だったので、まさしく今のインターネットのような感じです。もちろんここに仲間もいたけれども、ここのコミュニティで何か起こるんじゃないか?成功するんじゃないか?といった感じはなかったですね。
やっぱり、「渋谷系」というカルチャーがあったり…カルチャーに触れるには東京に行く、そんな憧れがあった気がします。
例えば、細野晴臣さんの「HOSONO HOUSE」っていうアルバムあるじゃないですか。当時、細野さんのご自宅には学生なのにギターがあって、レコードがいっぱいあって、大滝詠一さんや鈴木茂さん、松本隆さんが集まって…やっているうちに曲ができていった、ここに憧れがありました。
「ハラカド」では、これを目指したいと思っています。自分がそこにいて、場を持つことで、「バンドやりたい!」「イベントやりたい!」といった色々な人が現れたり…デザインを通して、そういう新しい原宿のカルチャーを作っていきたいです。
カルチャーはつくれるのか?
ひぐち)ハラカドへの想いが出てきたのですが、次の問い「カルチャーはつくれるか?」と繋がる部分があるので、より深く聞いていきます。
カルチャーというのは、「自然に生まれるもの」だと思いますが、「ハラカド」ではカルチャーを「作っていこう」としていますよね。では、カルチャーってそもそも作れるのか?どういうふうにカルチャーを作っていこうと思っているのか?そのあたりお聞きしたいです。
千原)そこまでしっかり決めずに、まず場を作って、カルチャーを生みそうな人を集める、そうすれば偶発的に何か生まれるんじゃないか?という期待があります。そうすると、勝手にカルチャーが生まれていくと思っています。
昔のバンド仲間とも「あいつの家で遊ぼうぜ!」といったゆるい集まりから色々と生まれたりしました。
平松)昔は、原宿のカルチャーはホコ天(歩行者天国)から生まれたと言われていました。ふらっときて自由に入れる場所だからこそ、偶発的なものが生まれる、わかりやすい例ですよね。
千原)ぶっちゃけ、目的が見えすぎているのってよくないと思っています。「ハラカド」も、楽しく過ごす時間の中で、「映画を作ってみたい!」とか、いろんなアイディアが生まれる方がいいんじゃないかなと。
「完璧ではなく、余白が大事」企業のカルチャーをつくるコミュニティマネージャーに大切なこと。
小原)今回のイベントでは、企業のコミュニティマネージャーの方々に多く参加いただいています。企業で働くみなさんには、目的ありきで走らなきゃいけないことが多いかと思いますが、その方達にアドバイスはありますか?
千原)僕を雇ったらいいんじゃないでしょうか!(笑)というのは冗談で、完璧じゃなくて余白を与えることが大事だと思います。
最近、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を観ていて思ったのですが、完璧に作り込まれていていて、大人でも楽しめるので、思わずサントラを聴いたりしちゃいましたね。勿論それも良いですが、全て完璧に与えられることに今の若い人が慣れすぎているとも感じます。
与えてもらわないと発想できない人も多いかもしれませんが、本当は余白の部分を自分の経験や考えで埋めていく作業が大事です。
与えられてそこにいるのは仕事になってしまうので、余白に自分が生きてきた考えをはめていくことを意識してみてはいかがでしょうか。
横の繋がりを生み出すお祭り空間&体験
今回のイベントでは、コミュニティに携わる人もそうでない人も、みんなが楽しく知り合い、語り合うことができる雰囲気作りやコンテンツに工夫が!
提灯が飾られた会場。それだけでもお祭り気分になれますが、入り口側の壁には、テーマカラーにちなんだお面が並んでいました。
そして、立ち飲み横丁ならでは!にしむー特性のオリジナル屋台フードが並びます。
たこ焼きはその場で、CxCのメンバーが作るなど、フードからもコミュニティ愛が伝わります。
たくさんの楽しいコンテンツが盛りだくさんだった中でも、一番盛り上がったサイドコンテンツは「コミュニティあるあるカルタ」。
事前にTwitterでも募集し、70件以上集まったコミュニティのあるあるネタが、会場の壁にどーんと貼られていました!
そして、貼られたネタを見て「あるある〜!」や「わかる!」といったリアクションが!!それらにインスパイアされる形で、ほとんどの人がその場でカルタ作成に参加してくれました。
おかげで、イベント終了する頃には、50音全て埋まったコミュニティあるあるカルタが完成。イベントを通して交流するだけでなく、一つのコンテンツをみんなで作り上げることで、よりコミュニティの熱量も高まりました!
100人を超える人たちが集まったCxC。参加者たちが、飲み物や、美味しいご飯を片手に、カルタやベイブレード、そして交流を楽しんでいる姿がとても印象的で、CxCというコミュニティが回を重ねるごとにどんどん盛り上がっているのを肌で感じた夜でした。
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