『性共育プロジェクト』は、#しかたなくないプロジェクトの中で発足した、実装活動です。「この国の性教育が後回しになっているのは #しかたなくない」という共通の課題認識の下、有志が集まる複数回のワークショップを経て、2022年8月に最終5つのアイデアが発表されました。

 

その中で生まれた企画を発展させた「LOVE GROWS」は、愛や性、リレーションシップを学び合う学生向けのワークショップです。

 

2022年11月、SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYAにて、第1回目となるワークショップを開催して以降、埼玉大学や慶應義塾大学の授業でも実施し、たくさんの学生にこれまで参加してきてもらいました。

 

そして、今回は、Tinder Japanが主催した、学生と “デーティングウェルネス”について考えるトークイベント「Tinder Consent Cafe ～Let’s Talk Dating Wellness～」の一部として「LOVE GROWS」のワークショップが行われました。

 

LOVE GROWSとは？

 

性共育プロジェクトで生まれた「LOVE GROWS」は、Tinder Japanとのコラボレーションにより開発が進められました。

 

「マッチングアプリ」という若い世代にとって身近なシチュエーションを用いることで、社会や学校で学ぶ機会がまだまだ少ない愛や性、リレーションシップに関する教養を積極的に深めるためのきっかけを届けることを目的としたオリジナル・プログラムです。

 

マッチングアプリや、人と人との出会いの中で起こりうるシチュエーションが書かれたカードに沿って、3,4名のグループで適切な言動について話し合い、それぞれのシチュエーションに隠されたポイントやキーワードを学ぶことで、自身の言動を見直したり、より理想的な言動について考えてもらいます。

 

シチュエーションはTinderに監修の下、「『顔写真が見たい』と相手から言われた」「プロフィールに『ノンバイナリー』の表記が」など、利用者のリアルな声を反映して作成されています。

 

Tinder Consent CafeでのLOVE GROWSの様子

今回のLOVE GROWSのワークショップは、Tinder Japanが主催する学生と”デーティングウェルネス”について考えるトークイベント 「Tinder Consent Cafe ～Let’s Talk Dating Wellness～」内で行われました。

 

 

このイベントは、「デーティングウェルネス」の重要性についてゲストや参加した学生たちと一緒に考えることを目的に開催されたイベントです。デーティングウェルネスとは、デートに行っている人が、互いに正しい知識を持ち、自らの選択によって判断し、心身ともに幸福で健全な状態でいるという考え方（※Tinderより）。

 

イベント開催の目的について、Tinder Japan のカントリーマネージャーのチョウさんは、「日本では、性の知識に関する話をする機会が少なく、正しい知識を持たず、表層的な情報と曖昧な理解のまま、マッチングアプリを使ったり、デートに行っている人が少なくありません。しかし、デートにおいて心身ともに幸福で健全な状態でいる、デーティングウェルネスの考え方は今後ますます重要になってくる」と、日本における課題とデーティングウェルネスの考え方の重要性について語りました。

 

マッチングアプリで起こりうる様々なシチュエーションについて、向き合って考え、仲間と語り合う「LOVE GROWS」のプログラムは、このデーティングウェルネスの考え方とも一致するものです。

 

今回のLOVE GROWSのワークショップでは、#しかたなくない の初期からのプロジェクトメンバーでもあり、LOVE GROWSの開発にも携わってきた、NEWPEACE Brand Directorである落葉えりかが、ファシリテーターを務めました。

 

 

6グループに分かれて行われたワークショップ。あるグループでは、「SEXTING」というキーワードがシチュエーションカードに。

 

SEXTINGとはスマートフォン上で性的なメッセージや画像などをやりとりする行為のこと。普段は恥ずかしくて言えないエロティックな話題でも、伝えることで相手をより身近に感じることができたり、自身のセクシュアリティを探求することに繋がります。一方で、自分の身を危険に晒すリスクが伴う側面もあります。

 

 

 

参加者は、「会ったことない相手にどこまで話していいんだろう…？」という問いに対して、自分だったら？とリアルなシチュエーションを想定して考えていきます。

 

そして、「大切なのは自分が相手を傷つけないかを考えること」や、「自分の嫌と相手の嫌は違うということを理解すること」など、グループでの会話を通して、互いに安心できるコミュニケーションの重要性について考えを深めていきました。

社会や学校で学ぶ機会がまだまだ少ない愛や性、リレーションシップに関して教養を深めていくことを目的に開発されたLOVE GROWSのプログラムですが、今回のワークショップでも、イベントのテーマである「デーティングウェルネス」を考える上でも重要となる、正しい知識をもった上での適切なコミュニケーションについて、学びを深めあう機会となりました。

 

Brand Director 落葉 えりか　コメント

性に関することは、センシティブで自分の内面とも密接に関係するからこそ、何か起きた時に冷静に判断できなかったり、自分や相手を過度に傷つけてしまうことがあります。

 

LOVE GROWSは知識のインプットだけでなく、起きるかもしれないその「いつか」のシュミレーションの機会になればと思っています。このプログラム内では「正解」を出すことをゴールにはしていません。

 

まずは自分ひとりで想像し、その後グループでのディスカッションを行うことで、自分だけでは思いつかなかったリスクやそれを回避するアイディア、相手とより良い関係を築くためのコミュニケーション方法など、自分の武器やお守りとなるものを増やしていってほしいです。

 

 

 

Tinderとの Let’s Talk Genderの取り組みについて

 

NEWPEACEでは、LOVE GROWSプログラムだけでなく、「人との出会いの中で生じるジェンダーやセクシュアリティにまつわる疑問や戸惑いに対し、正しい知識と考えのヒントを提供したい」というTinderの想いに寄り添い、「Let’s Talk Gender」のWEBサイトを制作しました。

 

コンテンツディレクターやライター、ムービーディレクターなどLGBTQ+当事者を制作チームに迎え、複数の当事者の視点を大切にしながら「性は多様。出会いは無限。」をテーマに制作したWEBサイト。

 

より自由で、より多彩なジェンダーや性のあり方、出会いについて考えるきっかけとして、是非こちらのWEBサイトもご覧下さい。

 

https://letstalkgender.jp/

 

「LOVE GROWS」ワークショップ

企画：#しかたなくない事務局 田中佳佑（NEWPEACE）

　　　#しかたなくない性共育ワークショップ学校班メンバー

　　 （原田史、福田眞央、小川マリナ、黒澤心、山本純大）

開発：#しかたなくない事務局 落葉えりか（NEWPEACE）

  　　 #しかたなくない事務局 田中佳佑（NEWPEACE）

開発協力 ：千葉大学大学院 教育学研究科 郡司日奈乃

　　　　　 Ai Tomita（NEWPEACE）

カードデザイン：高垣美月

監修：Tinder

アドバイザー：田代美江子教授（埼玉大学）

 

「Let’s Talk Gende」サイト

企画・制作メンバー 

プロデューサー ：落葉 えりか（NEWPEACE Inc.） 

クリエイティブディレクター ：田中佳佑（NEWPEACE Inc.） 

コンテンツディレクター ：中里虎鉄 

アートディレクター ：金田遼平（YES Inc.） 

デザイナー ：浅野木の実（YES Inc.）

ムービーディレクター ：西田 優

ムービーアシスタント ：五十嵐 岳

音声編集 ：吉武祐太（grasp music）

イラストレーター ：Ada 

ライター ：大谷明日香（Creative Studio koko） 

コントリビューター ：一般社団法人fair 

 

ムービー出演 ：

イシヅカユウ（モデル/俳優） 

下山田志帆（サッカー選手/OPTファウンダー） 

Labianna Joroe（ドラァグクイーン/性教育パフォーマー) 

Chloe（シンガー/ソングライター） 

Honoka Yamasaki（ライター/ダンサー） 

MATHEUS KATAYAMA（映像監督） 

Aisho Nakajima（アーティスト） 

Riko Ko（モデル / ジュエリーデザイナー） 

Rinka（学生） 

モリタジュンタロウ（合同会社nopole代表 / YouTuber）

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